3D用語辞典
用語 | 説明 |
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3DCAD | PC上の仮想空間に3軸からなる立体形状を制作できるソフト。3DCADで設計したりデザインしたデータを3Dプリンターに転送することで造形が可能になる。 |
3Dスキャナー | 対象となる物体の3Dデータを取得する機器。点群データで取り込み面データを生成して3DCADに取り込みます。主にリバースエンジニアリングに利用する。 |
3Dプリンター | 3Dプリンター(英語: 3D printer)とは、通常の紙に平面(二次元)的に印刷するプリンターに対して、3DCAD、3DCGデータを元に立体(3次元のオブジェクト:製品)を造形する機器。造形方式で「光造形法」「粉末法」「熱溶解積層法」「シート積層法」「インクジェット法」の5種類がある。 |
3D切削機 | 樹脂や木材、金属などの素材を刃物を用いて削り取り、希望する寸法や形状にする切削加工を、3D CADデータを基に自動で行う装置。素材を積層して造形物をつくりあげていく3Dプリンターとは反対に、ブロック状の素材を削って造形物を製作する。3Dプリンターよりも使える素材の制限が少なく、実際の製品で使われるものと同等の材料を使うことができるという特長を持つ一方、刃の届かない所は加工できないため、中空形状などの複雑な加工には不向き。 |
IoT | コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。 |
アクリル樹脂 | アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体で、透明性の高い非晶質の合成樹脂である。透明性が高いことからレンズや水槽などに用いられる。UV硬化型の3Dプリンターには広く利用されている。 |
アディティブマニファクチャリング | これまで成形によって製造していた製品を、3Dプリンターなどの積層によって直接製造する手法。成形などでは難しかった形状も製造できるのが特長である。 |
インクジェット | 液化した材料またはバインダを噴射して積層させ、形状を作る造形法。インクジェットプリンターの原理を応用している。インクジェットプリンタのカラーインクを使用して、カラー造形物も作成されている。光硬化樹脂を噴射して噴射後、短波長の光を照射して硬化する方法やワックスを噴射する方法等がある。材料の無駄が少なく、歯科技工や宝飾品に使用されるロストワックスの原型のように比較的精密なものを作るために適する。オーバーハングの部分のために水溶性のサポート材を出力したり、フルカラー出力に対応した機種もある。 |
インダストリー4.0 | ドイツ政府が推進する製造業の高度化を目指す戦略的プロジェクトであり、情報技術を駆使した製造業の革新の事を指す。特に製造業を高度にデジタル化する事により、製造業の様相を根本的に変え、マスカスタマイゼーションを可能とし、製造コストを大幅に削減することを主眼に置いた取り組みである。 全ての機器がインターネットによってつながり、またビッグデータを駆使しながら、機械同士が連携して動く事はもとより、機械と人とが連携して動くことにより、製造現場が最適化されると想定している。 |
AM | 素材を付加していくことによって、造形物を製作していくこと。積層によって立体造形をつくり出す3Dプリンターはこの手法にあたる。日本では3Dプリンターという用語が一般的だが、国際的にはAdditive Manufacturing Technologyという呼び方が正式とされている。 |
STL形式 | 3次元データのファイル形式のひとつで、3Dプリンターでの標準データ形式。3D CADソフトウェアや3D CGソフトで作成したデータをSTL形式に変換することで、3Dプリンターでの造形に最適なデータへと変換できる。STLはStandard Triangulated Languageの略である。 |
ABS樹脂 | ABS樹脂(エービーエスじゅし)とはアクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)共重合合成樹脂の総称。CAS番号9003-56-9。ABSは原料の頭文字に由来する。常用耐熱温度は70~100℃。家電や電気電子製品の各種外装・筐体・機構部品類、自動車パネルなど内装部品、文具・雑貨類に使用される。 |
エンジニアリングプラスティック | 耐熱性の高いプラスチックの一群である。熱に弱いという本質的なプラスチックの性質を改善した耐熱性の高い合成樹脂が開発され、この高耐熱性によって同時に機械的強度も向上している。使用温度や強度の点で、金属部品と従来型プラスチック部品の中間的/補完的な位置にあり。 |
光硬化性樹脂 | 紫外線など特定の波長の光によって硬化する樹脂。樹脂の分子が重合することによって、液体から個体に変化する性質を利用して、光造形方式やマテリアルジェッティング方式の3Dプリンターの素材として用いられる。 |
サポート材 | 3Dプリンターで造形する際に成型における金型の役目する。空間部をサポート材で埋めて造形して、最終的にはサポート材を除去してモデルが完成する。 |
積層ピッチ | 造形を積み上げていく間隔のことを積層ピッチと呼ぶ。3Dプリンターでは、ごく薄い層を少しずつ積み上げてモデルを造形していく。積層ピッチが小さいほど、造形物の密度が高くなるので、強度が増して、表面も滑らかになる。ただし、造形できるものの精度には、その他のさまざまな条件も関わるため、一概に積層ピッチ=精度とは言えない点に注意が必要である。 |
切削加工 | 切削加工(せっさくかこう)は切削工具類を用いて対象物を切り削る加工方法である。 除去加工とも呼ばれる。金属加工を中心に木材加工やプラスチック加工など、多様な造形作業において一般的な加工手段である。 多くが機械力を利用した専用の工作機械と多様な専用工具によって行われている。 |
造形エリア | 3Dプリンターで造形できるMAXのエリア。X×Y×Z(mm)で表現される。エリアを超える造形をする場合にはデータを分割して造形することもできる。 |
造形サイズ | 3Dプリンターによって一度に出力できる造形物の大きさ。本体の大きさに必ずしも比例するものではないため、注意が必要。造形サイズの大きなプリンターであれば、大きなものを出力できるだけではなく、小さな造形物を一度に複数製作することもできる。 |
中空構造 | 中が空洞になっている構造で、従来構造に比べて、軽量化や低コストのメリットがある。3Dプリンターでは、中空構造のモデルを直接作る事が可能である。 |
鋳造 | 主に鉄、アルミ、銅、真鍮などの金属を融解状態にして、型に流し込み成形する加工法。鋳造に用いられる型を、鋳型と呼ぶ。近年では、3Dプリンターで複雑な砂型を造形し、鋳型に用いることもある。 |
DPI | Dots Per Inchの略で、1インチの中にどれだけのドットを表現できるかを表す。3Dプリンターインクジェット方式のDPIはインクを噴射する間隔を表している。 |
ナイロン | ナイロン(Nylon)は、ポリアミド合成樹脂の種類である。当初は主に繊維として使われた。世界初の合成繊維のナイロン6,6(6,6-ナイロンなどとも)が含まれる。1935年、アメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースが合成に成功した。 |
熱可塑性樹脂 | 加熱をすることで軟化し、冷却すると硬化する樹脂。熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターの素材には、フィラメント状にした熱可塑性樹脂が使用される。 |
熱溶解積層法 | 熱溶解積層法(fused deposition modeling、FDM)は、1980年代後半に米国 ストラタシス社のスコット・クランプによって開発されたラピッドプロトタイピング・3Dプリンタにおける造形方式の一つ。熱可塑性樹脂のフィラメントを高温で溶かし、積層させることで立体形状を作成する。 樹脂スプールを造形ヘッド内のプーリーで押出し、その先のヒーターで樹脂を溶解しながら、押出された樹脂を造形テーブルに押し付けるように積層を行う。 |
バインダージェッティング | 3Dプリンターの造形方式のひとつ。インクジェットヘッドから液体の結合剤を噴射し、石膏や樹脂粉末を一層ずつ固めていく方式。インクによる着色が可能なため、フルカラーモデルを作成できる機種もある。短時間で出力できる反面、強度が必要なものには向かない。また、粉塵対策など設備環境にも気を遣う必要がある。 |
光造形 | 光造形法 はラピッドプロトタイピングや3Dプリンターに使用される技術で光硬化樹脂を紫外線レーザーや類似の光源で一層ずつ硬化することによって積層してスケールモデルやプロトタイプやパターンを作成する。光造形法は昇降作業台に部品を固定し、重力での撓みを防止し、へらで塗布時に引きずられないようにする為に支持構造体の使用が必要である。支持構造体は3DCADモデルで光造型機を使用する準備段階で自動的に生成されるが手作業で行う場合もある。支持構造体は作業完了後、廉価な他のラピッドプロトタイピング技術とは異なり手作業で除去する。光造形法の利点の一つは造形速度がはやい。また精度においても比較的優れている。光硬化樹脂の値段は高く、高価である。 |
フィラメント | FDMやマテリアルジェッティングの3Dプリンターでの出力に使われる、リール状の樹脂。2次元のプリンターでのインクに相当する。 |
粉末焼結積層造形 | 3Dプリンターの造形方式のひとつ。粉末状の素材にレーザーを照射して焼結させ造形物をつくる。レーザーを用いるため高精細な造形物を作成可能。また、ナイロンや金属素材が使用できるので、最終製品や成形型の製造にも用いられることがある。 |
粉末固着 | 粉末固着方式とは、積層造形法の一種で造形テーブルに薄く石膏粉末を敷き、プリンタヘッドから吐出された液体接着剤で固め、これを繰り返して造形物を作成する方式。CMYKインクで色付けされた接着剤を使用することで造形物にフルカラーを表現できる。 |
ポリカーボネート | ポリカーボネート(英: polycarbonate)は、熱可塑性プラスチックの一種。化合物名字訳基準に則った呼称はポリカルボナート。熱可塑性プラスチックで透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸安定性などにおいて、高い物性を示す樹脂。エンジニアリングプラスチックの中でも平均して高い物性を示す樹脂であり、かつ透明性をもつために光学用途にも使用でき、その物性に比べて安価であり、航空機・自動車など輸送機器、電気・電子光学・医療機器、防弾ガラスの材料などに広く用いられている。 |
ポリプロピレン | 幅広く使われる熱可塑性樹脂。酸、アルカリ、沸騰水、鉱物油など多くの薬品に対して侵されないという優れた耐薬品性を有している。 |
マテリアル | 3Dプリンターで造形を行う素材のこと。3Dプリンターでの造形に用いられるマテリアルは、樹脂が主流である。ABSやポリカーボネート、ナイロンなどの強度のある樹脂から、アクリルをベースとした光硬化性の樹脂など、さまざまな樹脂が用いられる。3Dプリンターの方式や機種によっては石膏をマテリアル として用いるものや金属の加工が可能なものも存在する。また、バインダージェッティング方式の3Dプリンターでは石膏などが使われる。3Dプリンターの方式や機種によっては金属の加工が可能なものも存在する。 |
マテリアルジェッティング | 3Dプリンターの造形方式のひとつ。紙を印刷するインクジェットプリンターの原理を応用し、インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めて積層する。微細な粒子を噴射して積層面を造形するため、高精細でなめらかな表面のモデルを造形しやすく、精度が求められる造形物の出力に適しているが、光硬化性樹脂を使用するため強度や耐久性には注意が必要 |
モデル材 | 3Dプリンターで造形する際にモデルになる材料のこと。造形方式によりさまざまな種類のモデル材があり、造形物の使用目的に合わせて選ぶ必要がある。 |
ラビッドツーリング | ラピッドプロトタイピングと同様に、射出成形鋳造に用いる型や治具などを短期間でつくることをラピッドツーリングと呼ぶ。鋳型の製造コストを抑えられるのはもちろん、必要な時に必要なものをすぐに出力できるため、治具などをストックしておかなくて良いというメリットもある。 |
ラビッドプロトタイピング | デザインや形状などを確認するため、試作品を文字通り短期間(Rapid)で製作すること。3Dプリンターの普及にともない、これまで数日から数週間を要していた試作品の製造が大幅に短縮できるようになり、コストの削減につながっている。 |
ラビッドマニュファクチャリング | 3Dプリンターを用いて、最終製品を製造すること。型などをつくらずに、最終製品を製造できるので、開発から市場に出るまでのスピードを大幅に短縮できる。1回につくれる量に限りがある3Dプリンターの性質から大量生産には向かないが、受注生産品などの少量の製品をつくる際には大きなアドバンテージとなる。 |
ロストワックス | ロウを用いた鋳造方法のひとつ。ロウでつくった原型を鋳砂や石膏で覆い固めた後に、ロウを溶かすことによって出来た空洞に、金属を流し込んで鋳物を製造する。 |